TWO BOOKS

白黒写真が僕を好きな理由

風に吹かれるトランプ的大富豪的革命的ちゃぶ台返し情報時代 / bowling

(”bowling” @New York USAYohei Maeda Photography)

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1年程前からちょくちょく相談を受けていた友人が離婚した。

どうしても今日が良いと、午前中にカフェに呼び出されて離婚届の証人欄にサインをした。午後には別の友人の結婚式に参列する予定だったので、正装をして人気まだ少ない池袋のカフェでサインをした。

 

現実はいつも曖昧で、不純で、非対称で、移りゆく 

ヒラリーが勝つという風潮があった中でのトランプ大統領誕生。

お金を儲けているものが成功者だという思い込み。

ネットは革命だ。ネットをやった方がいいという話であふれるSNS

好きだと言いながらも結局別れる友人。

 

世論とか、正論とか、世の中一般的にいわれる正しいことが実は正しいことではないかもしれないというトランプの大富豪的”革命”的ちゃぶ台返し情報時代に、じゃあ答えは何だ?と真実探しに躍起になってしまう人間の性よ。本当に大切なもの、やりたいこと、働く意味、幸せとはなんぞやと考える人間の性よ。

 

一方で今年(2016年)、”そんなものなんてないよ、いや、あるかもしれないよ。結局は風に吹かれているだけなんだよ。”と1962年に謳ったボブ・ディランノーベル文学賞を受賞した。

www.youtube.com

How many roads must a man walk down
Before you call him a man?
How many seas must a white dove sail
Before she sleeps in the sand?
Yes, and how many times must the cannon balls fly
Before they're forever banned?
The answer, my friend, is blowin' in the wind
The answer is blowin' in the wind
Yes, and how many years can a mountain exist
Before it's washed to the sea?
Yes, and how many years can some people exist
Before they're allowed to be free?
Yes, and how many times can a man turn his head
And pretend that he just doesn't see?
The answer, my friend, is blowin' in the wind
The answer is blowin' in the wind
Yes, and how many times must a man look up
Before he can see the sky?
Yes, and how many ears must one man have
Before he can hear people cry?
Yes, and how many deaths will it take 'till he knows
That too many people have died?
The answer, my friend, is blowin' in the wind
The answer is blowin' in the wind
 
どれほどの道を歩かねばならぬのか
男と呼ばれるために
どれほど鳩は飛び続けねばならぬのか
砂の上で安らげるために
どれほどの弾がうたれねばならぬのか
殺戮をやめさせるために
その答えは 風に吹かれて
誰にもつかめない

どれほど悠久の世紀が流れるのか
山が海となるには
どれほど人は生きねばならぬのか
ほんとに自由になれるために
どれほど首をかしげねばならぬのか
何もみてないというために
その答えは 風に吹かれて
誰にもつかめない
 
どれほど人は見上げねばならぬのか
ほんとの空をみるために
どれほど多くの耳を持たねばならぬのか
他人の叫びを聞けるために
どれほど多くの人が死なねばならぬのか
死が無益だと知るために
その答えは 風に吹かれて
誰にもつかめない
 

 

雑誌「シング・アウト!」 (1962年)のボブ・ディランのコメント

In June 1962, the song was published in Sing Out!, accompanied by Dylan's comments:

There ain’t too much I can say about this song except that the answer is blowing in the wind. It ain't in no book or movie or TV show or discussion group. Man, it's in the wind — and it’s blowing in the wind. Too many of these hip people are telling me where the answer is but oh I won't believe that. I still say it's in the wind and just like a restless piece of paper it's got to come down some ... But the only trouble is that no one picks up the answer when it comes down so not too many people get to see and know ... and then it flies away. I still say that some of the biggest criminals are those that turn their heads away when they see wrong and know it's wrong. I'm only 21 years old and I know that there's been too many ... You people over 21, you're older and smarter.

 

歌詞は、1962年に雑誌「シング・アウト!」に、ディランのコメントとともに掲載された。

「この歌についちゃ、あまり言えることはないけど、ただ答えは風の中で吹かれているということだ。答えは本にも載ってないし、映画やテレビや討論会を見ても分からない。風の中にあるんだ、しかも風に吹かれちまっている。ヒップな奴らは「ここに答えがある」だの何だの言ってるが、俺は信用しねえ。俺にとっちゃ風にのっていて、しかも紙切れみたいに、いつかは地上に降りてこなきゃならない。でも、折角降りてきても、誰も拾って読もうとしないから、誰にも見られず理解されず、また飛んでいっちまう。世の中で一番の悪党は、間違っているものを見て、それが間違っていると頭でわかっていても、目を背けるやつだ。俺はまだ21歳だが、そういう大人が大勢いすぎることがわかっちまった。あんたら21歳以上の大人は、だいたい年長者だし、もっと頭がいいはずだろう。」

Blowin' in the Wind - Wikipedia

風に吹かれて (ボブ・ディランの曲) - Wikipedia

 

ならば休日の寝起きにパッと想った感性が一番自分にとっての真実に近しいかもしれないと、Yesterday的発明めいた発想を書きながらも、それでも自分なりの”答え”を結局求めている事実に他ならないと気づく休日。

 

答え?風の中にあるんだ、しかも風に吹かれちまっている。あるのかもしれないし、ないのかもしれないけどね。

 

Maeda

写真を撮り続けたことで気づく自分の興味 / a couple with

(”a couple with” @machu picchu PeruYohei Maeda Photography)

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撮り続けてきた自分の写真を見返すと、その傾向が見えてくる。

シャッターを押すという事は、その構図が、その瞬間が、何らかの自分の琴線に触れたはず。その感性の集合体を纏めて見返すと自分の興味めいたものが形として現れるのだろう。

 

被写体、撮り方、瞬間等々。。

  

”家族” への興味の大きさに気づく。

”海外” の観たこと無い景色や出会いがいつもよりシャッターを多く切らせていることに気づく。

”白黒写真” は生き生きしていて自分らしいなと気づく。

 

自分自身を客観的に見つめなおさせてくれる1つの方法であるのは間違いないなと。

過去から、いや、自分から自分への手紙的なものというべきか。

 

自分の興味を記録し続ける事で、更には自分の興味の集合体を見返す事で、自分という人間を客観的に理解できるなと思ったアメリカ大統領選挙の夜。

 

祖父母の写真:Yusuke&Kunie

白黒写真色々:Black&White

 

Maeda

”「シリコンヴァレーの黄金時代」をとらえた写真が教えてくれること”を読んで思った2つの主義とジョブズ最大の発明 / kunie

(”kunie” @Gifu JapanYohei Maeda Photography)

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”シリコンヴァレー(シリコンバレー)”という今でこそ有名な名前。IT関係者でなくても一度は耳にしたことある名前だろう。かのアップルが生まれ世界的な企業になっていった場所であり、今なお最新技術を使って新しい価値を創造しえんとする優秀な若者を集めている磁場の強い場所。

 

そんなシリコンヴァレーが”世界のシリコンヴァレー”になろうとしていた黄金時代の様子を捉えた写真に関する記事。写真関係者もIT関係者もどちらも関係ない方も楽しめる内容だと思う。

 

一読あれ。

wired.jp 

1.理想主義

当時のシリコンヴァレーにいた人たちは”幸せ”ではなかったのかもしれない。過酷に働き、私生活をも時には犠牲にして。

その当時、シリコンヴァレーは教育といった社会の物事をよりよいものにするテクノロジーをつくるために必死だった、と彼は語っている。そしてすべての人の利益のために、情報を自由=タダにしようとしていたのだと。

「ある人は命を落とし、ある人は精神病棟に行ってしまいました。離婚を選んだ者もいた。なぜなら彼らは、本当に、本当に困難なものを手に入れようと手を伸ばしていたからです」。

それでもそこに集まる優秀でクレイジーな集団を突き動かす理想。

”社会の物事をよりよいもにする”

”すべての人の利益のために、情報を自由=タダにしようとしていた” 

理想の塊。自分自信に置き換えて考えてみてほしい。そんな理想に向かって日々働けているかどうかと。理想主義あるが故の磁場の強さなのだろう。

 

1人で何かをひたすら創り上げていく様に憧れていた時もあった。人のために、社会のためにという話が嘘くさく聞こえると否定していた。けれど、最近少しずつ人と共に創れる強さと楽しさを感じている。

 

理想があるから人が集まり、強烈な何かを創れる場を創れるのかもしれない。すなわち、理想なき場に強き集団は出来得ないのだろう。

2.写真主義

世の中にとって偉業であろうが、偉業でなかろうが、すべての時間は同様に過ぎ去っていく。

 

死期の近づいたジョブズの言葉の一節にもこうある。

私があの世に持っていける物は、愛情にあふれた(ポジティブな)思い出だけだ。これこそが本当の豊かさであり、あなたとずっと一緒にいてくれるもの、あなたに力をあたえてくれるもの、あなたの道を照らしてくれるものだ。 by スティーブ・ジョブズ

結局思い出す事は、その時一緒にいた仲間や家族との時間だけ。今はなんとも思わない瞬間を写真として記録しておくことが、後々意味あるものになり得るのだろう。

 

何もない現実の連続が、思い出になり、歴史になっていく。写真を残しておくことがその時間を”形”として後から伝えてくれる。 

”写真を身近にした”という事実こそ、最もジョブズらしい発明なのかもしれない

良き仲間、良き家族、良き人々と良き時間を共にし、その写真を少しずつ残しておこう。それがあたなに力をあたえてくれる思い出になり、自分の宝になるだろう。そして、もしかしたらそれが歴史と呼ばれるかもしれない。

 

i-Phoneが生まれた事で、常にカメラを持ち歩いている状態が出来た。昔よりも写真を撮る機会が増えた。世界中の写真の絶対数は増えたことだろう。

 

”写真を身近にした”という事実こそが、実は最もジョブズらしいのかもなと。そんな事を想った。

 

【参考】

シリコンヴァレーの写真ネガをとりまとめている写真家のプロジェクトサイト。WIREDの記事にはない写真も見れる。

Fearless Genius

http://w

 

 

Maeda

もみじが好き / momijinohi

(”momijinohi” @Tokyo JapanYohei Maeda Photography)

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鮮明に覚えている景色がある。

 

中学校2年生の熱い夏休みの真昼。午前中の部活を終えてお腹を空かして帰る道すがら。家の真裏にある竹やぶ横の細い道を抜ける時、ふと頭上を見上げた。そこには、木漏れ日抜ける青々とした竹やぶの葉っぱが広がっていた。

 

よく見慣れた景色のはずなのに、昼下がりの太陽に照らされた緑豊かな竹の葉は、なんとも言えない色彩だった。光にとけた薄い葉と、本来の色合いを保った強い緑の集合体。微風とも言えないそよ風で揺れる濃淡の葉葉。そんな緑の濃淡の美しさを覚えている。

 

竹やぶではないけれど、青々としたもみじを見上げる度にあの時太陽の光で照らされた青緑のグラデーションを思い出す。

 

紅葉綺麗な真っ赤なもみじも良いけれど、木漏れ日とフレッシュな青々しい緑で織りなす自然美が好きなのだ。 

 

そんな季節感のない話を紅葉の季節に書いてみる。

 

雑記

”木漏れ日”とは日本特有の言葉らしい。日本人が季節の中で観た現象を言葉として表現している。きっとこの言葉を発明した人も竹やぶか青もみじから差し込む太陽の光をみて創ったに違いない。

Komorebi:This is the word the Japanese have for when sunlight filters through the trees - the interplay between the light and the leaves.

ellafrancessanders.com

 

Maeda

PLAUBEL makina670の説明書をウェブ化しておこう / Chris

(”Chris” @New paltz USAYohei Maeda Photography)

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PLAUBEL makina670(マキナ670)を使っている。

デジカメがどんどん進化している昨今。それでもフィルム写真が好きな自分にとってはとても愛らしい名機である。

買いだめていたブローニー220がなくなり120を使わざるを得なくなった時、外出先でマキナ670特有の圧板の切り替え(120⇔220)方法が分からず、圧板交換を諦めた。(繊細な部分なので壊したくなかったからだ。)

yoheimaeda.hatenablog.com

帰宅後、購入時の説明書を引っ張りだしてきて、難なく圧板取り換えは完了したのものの、外出中スマホで探してもその方法は見つからなかった。

世の中から使い方、説明書がなくなってしまうのでは?

実際、2ちゃんねるにも説明書がないの?とか、使い方がわからん。とかの声があり、非常に共感するとこだったので、ここは私がお答えしようと思ったわけだ。

私もヤフオクで購入。説明書無いから、わけわからんかった。
説明書アップしてるとこ無いよね!? 

説明書やどこの操作を気をつける事やよくある故障箇所など
ほとんどネットに情報無いよなー。
知ってる人だけが持ってそうな感じで。

数は少ないだろうが同じような境遇の人がいる、もしくは、今後も現れるのだろう。そこで、これを機にmakina670の説明書をブログにメモしておこうと思う。

自分とすべてのmakina670ユーザーのために。

120・220タイプの圧板の切り替え方法

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a)圧板の外し方

圧板の左端上下を持ってボディ側を押すと、左側のツメが取り外せます。

b)圧板の交換

圧板は断面が120タイプ、他面が220タイプになっておりますので、使用フィルムのタイプを確認のうえ取り付けます。

c)圧板の取り付け方

使用フィルムのタイプを確認したうえ、圧板のフィルムタイプが表面に出るようにして、圧板の上下の縁を合わせながら右側の溝にツメを差し込み、右側へ押しながら左側の溝にツメをかみ合わせます。<注意:圧板はフィルムの平面性を保つために大切なものです。落としたり、ぶつけたりしないよう取り扱いには十分注意して下さい。>

PLAUBEL makina670の説明書

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どんな古いカメラでも使い方が分かる世の中に

古くても良いカメラ。素晴らしいカメラ。新品で手にする事はほぼないだろうカメラだと思うけれど、新しく手に渡った人達が正しく撮影できればいいなと思う。
 
まだまだフィルムがある限り撮り続け、淡々とこの空気感を残していこう。
 
Maeda

  

※追記 (2019/4/27)

”マキナ670の使用者です”さんより掲載わすれてい24,25,26項も掲載してほしい旨コメント頂戴したので、下記追加掲載です。諸々細かいのでいいかなーと思って割愛しておりました。すいません。こちら改めて掲載です。

こういう古いカメラの説明書って知りたいですよね。一定の共通ニーズあることを感じます。

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納得。安達祐実の写真集は旦那が撮影してたんだ / itsumono

(”itsumono” @Gifu JapanYohei Maeda Photography)

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家族にしか撮れないものがある。

近くにいるから写るものがある。

 

そんな話。 

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写真家の旦那さん(桑島智輝)についての話はこちら。

wedding.mynavi.jp

 

あまりに反響があり一時サーバーがダウンした、安達祐実オフィシャルギャラリーはこちら。

yumiadachi.com

 

Maeda

さようなら、ブローニー220フィルム / hana

(”hana” @Gifu JapanYohei Maeda Photography)

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カラー写真は中判カメラを使う。

(35mmでは味わえない繊細な描写が好きだから)

 
フィルムはISO400を使う。
(室内でも夜でも基本手持ちでバンバン撮影したいから)
 
220フィルムを使う。
(フィルム交換を少なくしたいから)
 
特別この会社のこのフィルムでないと嫌だ!というこだわりはないのだが、悲しいかな、富士フィルムKodakも 中判カメラのISO400 220フィルムは絶版となってしまった。
 
資本主義社会の下、ビジネスとして成立しなければ続けれない事実は理解しているつもりでも、長年この仕様に、このフィルムに、このカメラに慣れきった自分にとっては何とも悲しい現実だ。
 
世の中一般の需要の数(総数)は少ないかもしれないが、一部マニアの需要の強烈さ(欲しさ)は計り知れないはず。そういった声に耳を傾けて欲しいと願って止まない。
 
また会おう、ブローニー220フィルム。
 
Maeda