(”Kaya” @Gifu Japan/ Yohei Maeda Photography)
*Title「Kaya(蚊帳)」:祖父母と同居して育った。おじいちゃんおばあちゃんの住む母屋で、小さい頃はよく一緒に寝た。夏になると蚊帳をつって寝た。隣が竹やぶでとにかく蚊の多い家だった。蚊帳で囲まれた2つの敷布団は何かに守られている秘密基地のようでワクワクした。大人になって、おばあちゃんが痴呆の傾向がみられ始めてきた。確実に何かが変わってきた。秘密基地の時と変わらぬ場所で、変わり始めた2人。私のHOME。
HOME。あなたのHOMEは何ですか?
Magnum Photosが世界中で2018年3月から、世界7都市で写真展を開催する。マグナム・フォトから写真家16名が参加してHOMEという”大喜利”に取り組むFUJIFILMとの共同プロジェクトだ。
ニューヨーク、ロンドン、パリ、東京、ケルン、イタリア、中国と世界7都市を巡る。東京の日時、場所は以下だ。実際のプリントには本にはない魅力が確実に存在する。もしも興味あれば足を運んでみてはいかがだろうか。
- DATE:2018年7月21日(土)~30日(月)
- VENUE:代官山ヒルサイドテラス
- ADDRESS:〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町18-8
HOME by Hiroji Kubota(久保田博二)
マグナムに日本から唯一在籍する写真家、Hiroji Kubota(久保田博二)も今回のプロジェクトに参加している。
Hiroji Kubota - HOME Project Magnum Photos
”美しいでしょ?普通のプリントなんかと違うでしょう?”
”いくらデジタルのカメラが凄くても過去は撮れない。やっぱり過去を撮ってあるのは,
これが一番僕の宝物”
”この55年間写真のことしかやらなかった”
"55年間の写真、集大成の本"
”これからですよ、これからです。だから写真が僕のすべてなんです。”
写真をみせたり、説明したりするときの嬉しそうで、誇らしげで、楽しそうな顔。最近実家に帰ると5歳、3歳の甥っ子と遊ぶ機会が多い。まさにそれと同じような顔をして幼稚園でつくった節分のお面を見せてくれた。子どものように純粋な様。
合理的でも、経済的でもない。誰かと比較するでもない。そんなものをすべて超越した超個人的内発的動機。だから最高で、かつ、美しい。その人個人であり、その生きてきた人生そのもの。
そんな彼の撮ったHOMEをみることができる。
HOME by エリオット・アーウィット
以前ブログでも書いたエリオット・アーウィットもHOMEに参画している。
Elliot Erwitt - HOME Project Magnum Photos
”重要なものは被写体ではない、被写体をどう扱うかなんだ”
”写真はお勧めだよ、だって楽しいし、誰も傷つけないし”
”キャプションには写真を言葉で説明する大切な役目がある”(⇒余談:なるほど。どうしても写真だけで伝わってほしい。説明はしたくない。と思っている節がある自分を少し反省した。だから、冒頭のKaya(蚊帳)にも今回はキャプションをいれてみた。)
自分が人生を通して創ってきた作品達に囲まれた家で、HOMEという題材に挑戦している。正直、高齢の彼の作品が本当に私の好きだった作品かどうか分からない。それでも彼の写真に対する純粋さは動画から伝わってくる。
楽しみだ。
HOME。あなたのHOMEは何ですか?
HOME。
世界の写真家が切り撮った”大喜利”「HOME」を観に行こう。
Maeda