(”cowboy” @Arizona USA / Yohei Maeda Photography)
写真家になりたい。
そう夢見て日本の大学を辞め、渡ったアメリカでの大学生活1年目の夏。グレイハウンドバスの1ヶ月パスチケットを購入。NewYorkから時計回りでアメリカ一周の旅をした。まずは自分の作品(写真家へ弟子入りするためのポートフォリオ)が必要だと思い込んでいたからだ。
おじさん(母親の弟)から譲り受けたCanonF-1を片手に、Ebayで購入した期限切れ間近の白黒フィルム:トライ-X400を大量にカバンに詰めて。写真も英語もままならない中、写真を撮る事だけに集中した。アメリカと写真にまみれた1ヶ月間だった。
シャッター切った瞬間、現像したてのネガをみてゾクッとした感覚、赤暗い暗室の現像液の中から浮かび上がってくる少年の横顔。全てが完璧なまでに美しくて感動した。これが写真なんだと理解した。
今でも自分の部屋に大切に飾ってある1枚。1枚のプリントの重さは変わらないと思うけど、この1枚だけは確実に他より重く感じている。
そんな始まりの写真から始めてみようと思う。
Maeda