(”Father” @Chicago USA/ Yohei Maeda Photography)
君の名は。映画の話ではない。名前の話をしよう。
"洋平"という名前。
海のような大きな漢にと、海を、太平洋を想って父がつけた名前だと聞いている。
ヨットと父と太平洋
父は大学時代にヨット部の主将をし、かつ、全体育会系部活動の中で幹事長をしていた。ヨットで島々を巡ったり、何日も永遠と海と空しかないヨットの上で過ごしたらしい。20歳そこそこの多感な時期での経験だから、さぞかし刺激的な体験だった事だろう。ヨット部の話、リーダーとして活躍した話、彼の人生へ大きな影響を与えた出来事なのだろう。その証拠に、断片的ではあるものの今でもその話は繰り返し聞く。父が感じた永遠と続く壮大な海、中でも一番多くの時を過ごした世界一大きな海、太平洋。そこで若きし父が感じた何かを私につけた。
太平洋を超えた20歳
20歳の時に太平洋を超えてアメリカへ来た。日本の大学をやめて、留学を決意した。留学自体はそんな珍しい事ではないと思うが、自分の親族周りで留学していた人がいたわけでもなかったので、自分にとっては大きな決断であり勇気のいるものだった。
その経験があるからこそ今でも仕事で海外へ行く事ができるし、様々な国の人達と関わる事ができている。あの経験があってこそ今の仕事感、むしろ人生感を築けていると思うのだ。そういう意味において、留学は自分の人生における転機だったと思う。年を追うごとにより強くそう感じている。
名前という言霊
名前には言霊のような力があるのかもしれない。いや、数え切れない位何回も書いたり、呼ばれたり、発したりする中で、自然と刷り込まれているだけなのかもしれない。
大学卒業以来約7年ぶりにアメリカへ向かう飛行機の中、眼下に広がる"太平洋"を見ながら名前という言霊的パワーについて思いながらスマホで綴っている。若かれし父が太平洋から感じた"何か"とは何かと想いながら。
これから大学時代の親友ジャスティンの結婚式へ参列するのだ。いとめでたし。
Maeda