(”me on my mother” @Gifu Japan / Yohei Maeda Photography)
『ミクロの中にダイブすることがある。ミクロの中にこの世界の中にものすごくおっきなマクロがあるということを知る。これをダイブと呼んでいる。』
「自分と対話すること」を私の友人はこう表現していた。うまい事言うなと思った。
Leicaもまさにそれだろう。Leicaは言わずとしれたカメラ。多分カメラを知らない人でも「ライカ」は分かるはず。ライカと聞けば、「高級なカメラ」と連想する人は多いのではないか。
そう、ライカは高い。本体もそうだが、とにかくレンズが高い。そのLeicaを購入した。本体はフィルムを現役で使いこなせる実用性高いM6を。レンズはAPO-SUMMICRON-M 50 mm f/2 ASPHが届く。中古車が買える。
題名から勘違いしないでほしい。父へのプレゼントではない、自分のカメラだ。自分のカメラとしてライカへダイブしたのだ。
ある人は『良い写真を撮るために、カメラは全てではない。』という。一方で、学生時代にアシスタントさせてもらっていたフォトグラファーは『写真はテクノロジーだ。技術だ』と言い切っていた事を思いだす。
変化という名の進化をしながらも、自分の人生を謳歌するための投資をしていく。良い写真を撮りたいと思わせてくれる。撮れる状態の自分を創っていく。あと何年フィルムで写真を撮っていけるか分からないが、それでもこの決断によって、満足いく作品が一枚でも多く遺すことができたら本望だ。
190万台。1993年製だ。
若干サビが浮き出ている。M6のこの黒塗装にした仕様は嫌は気に入らない。使い込めば塗装が剥げてくる感じの方が好きだ。
シャッター幕も申し分なく綺麗。
オリジナルのストラップ。調べて分かったが、この金具の部分がライカ独特の仕様で、金具がカメラに当たらないように工夫されている。期待してなかったが、地味にイケている。
使い込みの見られる純正速写ケース。正直使わないだろう。
東急ハンズで購入したテープはこれ。太さと粘着具合、あとは光沢過ぎない(適度なマット感)質感がM6のステンレス部分にマッチしたからだ。
鮮明に自己主張するLeicaの赤いロゴとLeica M6の印が気に入らない。主張しない道具の方が安全で安心できる。特に海外でスナップする際は。ネットで調べるとやはり同じようにこの主張を嫌う人がいることを知る。同感だ。
若干太すぎるテープの幅も合わせながら、黒テープのサイズ感をあわせる。どのテープが良いのかをGoogleで調べるも、海外ならば多少でてきたが日本では特別なかったので、克明に掲載してみる。今後の誰かの参考になれば幸いだ。
アンリ・カルティエ=ブレッソンがM3のシルバー部分を黒テープで黒塗りにしたように、M6の主張を黒テープで自粛させる。しっくりくる。MPと悩んだけれど、値段の関係でM6×黒テープで我慢することにした。
次の週末に両親と旅行に行く予定だ。
それに間に合うようにと、それが購入を後押ししたのは事実だ。(購入を肯定させるためのていの良い言い訳なのかもしれないが。)
良いレンズで、良いカメラで、今自分が残せる最高の写真を。自分の残せる最高の感性を。作品ではない。本質であり、真実であり、現実を。
32歳の今、父に贈る言葉(”言い訳”)だ。
(今週のお題「おとうさん」)
*ライカM6購入後の道すがら、久しぶりにAmazon以外で買った本。これもオススメ。文才あるってこういう人だよなと思う一冊。父の日の一冊。
※レンズは火曜に届く。レンズの話はまた今度。
Maeda