TWO BOOKS

白黒写真が僕を好きな理由

伊丹十三という粋 / a day2

 (”a day2” @Tokyo JapanYohei Maeda Photography)

f:id:yonpei704:19720723125306j:plain

伊丹十三という人物を彼が生きているときに、リアルタイムで興味をもっていたわけではない。「伊丹十三」という名前も、彼が映画監督であり、「〜の女」って映画が金曜ロードショーで昔やってたなあ、という程度だった。

1933年生まれ。映画監督、俳優、エッセイスト、テレビマン、CM作家、商業デザイナーなど、興味のおもむくままに様々な分野の職業に分け入り、多彩な才能を発揮。翻訳も多数手がけた。1997年没。

そう、彼は映画監督である前に、エッセイストであり、テレビマンであり、CM作家であり、商業デザイナーなのだ。多彩な才能を持っていたということが、この個々でも憧れられそうな洒落た肩書達からも垣間見れる。

きっかけは喫茶店で出会った雑誌ケトルVOL.47から

そう、出会いは偶然。喫茶店にあった雑誌ケトル(伊丹十三特集)を読んで、興味を持ったのだった。

※今回紹介した本/雑誌の中でもっとも気軽に読める伊丹十三本だろう。そもそもどんな人なんだ?から理解したい、コーヒーと一緒に気軽に読みたい、という方にはこれをオススメする。

ケトルVOL.47 (日本語) 単行本 – 2019/2/15
伊丹 十三 (著), 内田 樹 (著), 周防 正行 (著), 堀部 篤史 (著), 宮本 信子 (著)
 

伊丹十三という人物がわかる作品

伊丹十三面白いなー、と思い、そのまま喫茶店スマホをたたいた。Amazonで一冊のエッセイを購入した。挿絵とタイトルに惹かれて選んだのは、『ヨーロッパ退屈日記』だった。前にも書いた自分の人生の先輩だと思っている相場さんも、若かれし頃にはヨーロッパに影響を受けていた。この世代の方々にとってのヨーロッパには、やはり何かあったのだろうと思っていたからだ。審美眼を持っている人には、共通項がある。

yoheimaeda.hatenablog.com

彼の本を読み終えて、ああ、この人はセンスの塊なんだろうなあと悟った。文章しかり、そこにある自前の挿絵しかり、ものごとの捉え方であり。。そこから伊丹十三という人物に本格的に興味を持ち始めたのだった。

ヨーロッパ退屈日記 (新潮文庫) (日本語) 文庫 – 2005/3/2 伊丹 十三 (著)

 

その後、立て続けに追加で下記2冊を購入した。まずは、エッセイとして評判が高かったもう一冊。Amazonの画像上からも見えた、『真っ当な大人になるにはどうしたらいいの?マッチの点け方から、恋愛術までー。正しく美しい答えはこの一冊のなかに。』という帯にやられた。”正しい”答えというのはわかる、けど、”美しい答え”というのがいかにも伊丹十三らしいと、勝手ながら思ったのだった。

女たちよ! (新潮文庫) (日本語) 文庫 – 2005/3/2 伊丹 十三 (著)

 

もしかしたら、伊丹十三という人物を知りたい人には下記がおすすめかもしれない。最初からエッセイという彼の作品というよりも、体系的に伊丹十三という人となりを理解できる。まあ、本の名前どおりである。どんな人物だったのかを知った上でエッセイを読んでみると、その挿絵やこだわりや文章がまた一味違って見えてくるかもしれない。

伊丹十三の本 (日本語) 単行本 – 2005/4/21「考える人」編集部

伊丹十三という名の粋(イキ)

結局、伊丹十三という人物が粋なんだなあと思うのだ。かっこいい人というのはこういう人であり、センスが良いというのはこういうことであり、歳を重ねるとはこういう気づきを重ねていくことなんだろうなあと理解する。

 

同時に、『審美眼』という言葉を反芻する。写真を撮っていても強く思うのだが、視える人には視えるし、視えない人には視えない。これは、きっと森羅万象、世の中のすべての事象や、モノやコト、そんな全てに当てはまるのだろうと思う。伊丹十三はもの、こと、所作に至るまで、審美眼という名のコダワリを、エッセイや挿絵や映画を通して世の人たちにお裾分けしてくれているのだ。

 

こんな魅力的な大人に、コダワリのある大人に、視える大人になりたいものだと憧れながら記してみた。

 

Maeda

 

※もちろん、映画もオススメ。個人的にはお葬式が好き。彼の自宅(別荘?)で撮られた作品の中にある創意工夫が好き。予算がハリウッドと比して〜とかっていう言い訳ではなく、良いものは良い。そういう創り手の意気込み、創意工夫がある作品が好きなのかもしれない。 

お葬式<Blu-ray>
山崎努 (出演), 宮本信子 (出演), 伊丹十三 (監督) 形式: Blu-ray

 

10年以上前の留学中に、アメリカ人の友人からこの動画をみせられて、このラーメンを食べたい。と言われたことを思い出す。醤油ラーメンこそ至極。

タンポポ<Blu-ray>
山崎努 (出演), 宮本信子 (出演), 伊丹十三 (監督) 形式: Blu-ray

 

ハマった人はこちら。自宅待機が続くご時世。結局全部見ればいいと思う。 

伊丹十三 FILM COLLECTION Blu-ray BOX Ⅰ
宮本信子 (出演), 山崎努 (出演), 伊丹十三 (監督) 形式: Blu-ray

 

 

お題「好きな作家」

お題「マイブーム」